葬儀・終活ニュース

「還暦なんて通過点?金八先生の脚本家が贈る言葉!」2018.11.26

TBS系「3年B組金八先生」などを手がけた脚本家・小山内美江子さん(88)が、エッセー「終活なんてまだまだ早い! 人生は還暦から!」(ヨシモトブックス、税込み1296円)を先月29日に出版した。60歳からボランティア活動を開始。1993年に作ったボランティア団体は25周年になる。「還暦なんて通過点にすぎない」と言い切った小山内さんに、活動を通じて還暦以降を楽しむ秘訣(ひけつ)を聞いた。

 

 還暦と言えば人生の大きな区切り―。そのように考えてしまう人も多いのではないだろうか。還暦には大きな変化が起こるのではないか、そのために何か準備しないといけないのではないか―。しかし、小山内さんはそんな心配を一気に吹き飛ばした。

 

 「還暦は通過点にすぎない。意識したことはなくて、(還暦を迎えても)どうってことなかったわ。まだまだ若い若い。それが素直に本のタイトルになったの。(還暦を含めて)若い人は知恵もあるし、もったいない。終活なんて早い」

 

 そう感じさせたのは、今もなお続ける海外ボランティア。母の死と湾岸危機の日本バッシングがきっかけで、初めて中東のヨルダンに飛び立った。カンボジア、ネパールなどでも活動。1993年、特定非営利活動法人「JHP(JAPAN TEAM OF YOUNG HUMAN POWER)・学校を作る会」を創立。今もなお代表理事を務める。

 

 「これも還暦を過ぎたときから始めたのよ。脚本家としての活動もしながらだったけどね」

 

 小山内さんは活動の醍醐(だいご)味の一つに、若者との一生の出会いを挙げた。日本の学生との活動が活発になり、初めてカンボジアに学校を作った。当時、校庭にブランコを作った話を楽しそうに語る。若い人といると元気をもらえるという。

 

 「若い人と動くと楽しい。いじめちゃうのね。(学校にブランコを作った時)私が『クギを打て』と言ってるのに指を打っちゃうとかね(笑い)。今度はその子がクギが抜けないって。テコの原理を知らなかったのよ。私は『そんなことも知らないの? あなた東大よね?』って平気で言っちゃうの。中学や高校で習うはずなのに。でも、そんなうるさいおばさんがいると、安心するらしいわよ」

 

 このように学生たちをうまく“いじる”。そんな子どもたちとは、今でも付き合いのある素晴らしい関係になっている。

 

 「その時一緒に活動した子は今でも会いに来てくれるのよ。すてきなことよね。今日は会えないけど、生まれた子どもを見せに来てくれたりね。節目節目に会いに来てくれるの」

 

 後悔とはほど遠いところに生きているかのような小山内さん。しかし、後悔先に立たずで、悔いることはある。

 

 「私、今年で88歳でしょ? 次は89歳ですよ。『あの時、聞いとけばよかった』と思うことが多いこと。どんなに頑張っても悔いは残るものよね。『ここで聞きたかったのに』と思うことがあるのよ。だから、今のうちに私に何でも聞いてほしい」

 

 いまでも小山内さんの自宅に泊まりに来る当時のボランティアメンバー。その時には“ニセ娘”たちに惜しみなく話している。そんな小山内さんが最後に残してくれた言葉は達観していた。

 

 「なるべく面白がって生きましょうよ。父は『あっという間に生きていきたい』と言って本当にすぐに亡くなっちゃって。兄はつまずいて転んで、弟分たちが起こそうとしたら死んでいたのよ。面白くなくても、来る時に(最後の日は)いきなり来るわけだから」

 

 ◆小山内 美江子(おさない・みえこ)1930年1月8日、神奈川県横浜市生まれ。88歳。神奈川県鶴見高等女学校卒。51年東京スクリプター協会会員として映画製作に参加。62年NHKテレビ指定席「残りの幸福」でシナリオライターとしてデビュー。TBS系「3年B組金八先生」やNHK大河ドラマ「徳川家康」「翔ぶが如く」などを手がけた。還暦からヨルダン、カンボジア、ネパールなどでボランティア活動を開始。93年に「JHP・学校をつくる会」を設立し、世界を股にかけたボランティア活動に取り組んでいる。

2018.11.24 スポーツ報知より